KEGのサービス提案の1つの方法論として自身の経験の拡大を前提とした
「デザイン思考」というものがあります。
フィールドワークや密着インタビューなど(コンテキスチュアルインクワイアリーとか呼びます)
を通して、
自身の経験を拡大し、そこから何回も何回もプロトタイピングを繰り返しながらサービスの提案、
そして研究のコアとなる面白さを見いだそうという手法です。
私たちもこれまで、ARGに実際に参加してみたり、
近しいイベントに参加してみたり等をしてきました。
その一例が以下で、これは「赤い鳥」RUSH JAPAN (ラッシュジャパン)が運営する宝探しゲームを体験した時の写真です。
ARGチームを2つに分けて、どちらが早くキーワードを集められるか!?と競争の形で体験したりもしています。
背景ストーリーがないという点で、ARGとは少し異なる部分もありますが、宝探しとしてプレイヤーの行動を換気する点や、謎(ギミック)を解いたり、複数の人と協同してミッションを進めていく所はARGの大切な要素です。
簡単な気づきや感想としては、宝箱のポイント間の移動で地域の理解が促進したことや複数人で体験したことで、自然に役割分担やコミュニケーションが生まれ、ゲームを展開するプロセス自体に面白さがあったことです。(本イベントのゴールには賞品があります)
以下、チームで出た思いつきの気づき&感想一覧
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【勝田】
※もんじゃのときに聞いたみんなの意見も載せています。
■H×Hのハンター試験のように、リアル世界でふつーに生活している人が、ゲーム(ストーリー)内のキャラクターになるという行為は、代替現実感を生みそう。
例えば:今回のように街で宝を探している。そしてルイーダの酒場のように宝探しをしている人が集まりやすいようなカフェなどにおいて、店員が地図を持っている人にだけ特定の話しかけ方をしてくれる「君たちは○○へ行くといいよ」とか。要は、リアル世界の人を特定の条件下においてゲームのキャラクター化することは代替現実感を生むだけでなく、地元の人との交流のきっかけになるかもしれないという意味で、とても意味のある仕掛けになると思います。
■ただ回遊させるだけではおもしろいけど、代替現実感のような際どいワクワク感は生めない。やはり強烈なストーリーがバックに欲しい。
自分たちが歩き回って宝を集める理由、仲間と力を合わせて競争(or共創)する理由などが欲しい。ストーリーがあれば、それが作れそう。
■各場所の謎を予めすべて解き、最短ルートを立ててから始めるため、謎を解いた時点でやや興奮は冷める。
→謎は全て列挙するのではなく、1つ解くとキーワードと共に次の謎の場所に関するヒントを得られるようにすると良い?
■回遊行動自体がARGのパターンと、回遊行動がラビットホールになるパターン
■公共交通を使わせない絶妙な距離感でルートを回らせると、歩きながら街を見て、ちょっとした会話をする。
てゆか歩き回ってるといっぱい話す。
■iPhoneやケータイを使うとすぐ謎は解けてしまう。Google mapsも便利すぎ。すぐ解けるだけでなく、確信をもって解けてしまうため、本当に宝物があるかなというワクワク感は薄め。
だから目的地は神社とか明確にしすぎないで、アバウトにすべき。
■実物としての宝箱も良いが、拡張現実を用いてカメラをかざした人にしか見れない宝にしても良いかも。
■同じように宝探しをしている他のパーティーと出会えるような場所があると盛り上がりそう。
例えば宝探しに参加している人だけは安くなるカフェを設置したら、そこに他のパーティーと遭遇する可能性が高まる。
■回遊行動だけを見るとお金が落ちる気配はしない。この回遊行動を半日以上かかるものにするなどして、宿泊を半強制的にすると経済的に地域活性ができる。
【鈴木】
感想・気付き
■宝は6つより多くても良い。それより回遊の幅を短くしてほしい。
宝が少ないと宝間の距離が長く、宝探し以外の話をする機会になるが、疲れる。
宝が多ければもう少し見つける楽しさがありそう。今回の場合、宝探し自体はあまり楽しめなかった。
■初めから宝の場所が分かっていると自分たちでルートを選ぶ楽しみがある。
謎を解きながら次の目的地を探る方法だと、回遊の順が限られるが、
今回のような形式であればルートが選択によって変わるためプレイヤー同士が競争することが可能となる。
■確実に宝の場所がわからないと面倒くさい。
歩く距離が長かったせいか、無駄な回遊が増えると最後までモチベが保てない気がする。
主催者側が用意した地図内に宝物がある、とか範囲を絞らないと際限がない。
■回遊の環境はモチベにかなり左右する。
天候や交通インフラ(電車や自転車)などによって楽しさがかなり変わりそう。
また、夏の暑い日や冬の寒い日はあまり回遊する気にはなれない。
■回遊している間は宝探しのバックストーリーに入り込む余地がない。
回遊している舞台が現実であるため、その舞台に則した内容なら理解できたかも。
更に今回の場合宝探しというより、ただ目的地に向けて歩く山登りをしている感覚。
■iPhoneを持っているかどうかで楽しみ方が変わる。
マップやネットを駆使しないと最後まで行けない気がした。
もし持っていなかったとしたら地元の人に道を尋ねながら回遊していたとは思う。
■宝の場所がわからなくても地元の人に話を聞きにくい。
この企画を知っている人が少なそうなので、
例えば「兜町」っていう地名が分かっていれば道を訪ねることができるが
謎解きの段階から「心当たりはありますか?」なんて質問はしにくい。
■経済効果はこうした日帰りの場合は見込めない。
回遊する中で何かを買おうとは思わないし、たいしてお金を使う気にはならない。
ただ主催者側で各地のお店のクーポンを用意してくれたらそこに行っていたかも。
【うらら】
■モチベーションの維持の為にも、「ハラハラ感」や「スリル感」「追われてる感」等の要素が欲しい!
やっぱり競争の中で、「今あいつらはこの辺にいるはず!」だったり、
「このルートだったら勝てる可能性が〜%。。」と、
相手の動きを予測したり、自分達の戦略を立てて実行する事が楽しかった。
あのドキドキ感を、もっといろんな演出で強化して欲しいと思った。
イメージとしては「24」(実は見た事ないけど)とか、コナンの劇場版とか。
→ハラハラドキドキ系回遊ARGだと、全体的にプレイヤー達の動きが素早くなり、
あんまり地域とコミュニケーション取ったりするシーンは多くなくなるかもしれない。
フェーズ毎に、「ここはプレイヤー達をゆっくり動かす」とか「ここは走らせるくらい焦らせる」
等、プレイヤーの動きのスピードとかも考えても良いかも。
■「ホラー」とか「ミステリー」だったらゆっくり回遊させられるかも。
ゲームの序盤はゆっくり謎解きをさせて、
終盤にかけて焦らせるのもありかなぁーと思った。
ただ、ゆっくり謎解きってかなりダラダラする可能性もあるし、モチベが下がりそうなので、
たとえばホラーとかミステリーな要素を序盤に多く入れて、
テーマに没入させるのもアリかもーと思った。ジャストアイディア。
■グリーンカードは絶対面白い!
プレイヤーの何人かに、「秘密の指令」を出すっていうギミックはあついと思います!
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