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【ARG SYMPOSIUM 2009】に関して

皆様、はじめまして!

武山政直ゼミ、6期生の末田文吾です。
チームのみんなにはブンゴって呼ばれています。

僕自身についてはメンバー紹介の記事に書かれていますので記述しませんが、記事の中で“チームのコミュニケーションの要”と書かれていて小っ恥ずかしく思っています。

僕はそんなこと意識なんてしていなくて、
ただただ楽しみたいって思っているだけなんです。

また、個人的には楽しんだ方がより良いものが生まれると信じています。


もちろん、今おこなっている活動が自己満足で終わることがないように、
班全体での目標を掲げて日々精進しています。



そんな僕たちが2009年10月2日に参加させていただいた、
「ARG SYMPOSIUM 2009」の中で、
僕たちが注目した点について書かせていただきたいと思います。





<イベント概要>
ARGシンポジウム 2009
http://arg2009.com/

次世代エンゲージメント手法として、世界のコミュニケーション産業から注目されるARG(代替現実ゲーミング)。その先駆的な取り組みにより、カンヌ国際広告祭サイバー部門でグランプリを2年連続で獲得した 42 Entertainment のクリエイターを招いて、ARGの有効性と可能性を明らかにします。

・主催: ユビキタスエンターテインメント手法による事業創造コンソーシアム
・日時: 2009年10月2日(金)14:00-17:15
・会場: 慶応義塾大学三田キャンパス 東館6階 G-SEC ラボ(定員150名)






当日は、

  ・代替現実ゲームと消費者エンゲージメント
     (武山政直/慶応義塾大学経済学部教授)
  ・ARGが拡げる新しいエンターテインメントマーケティング
     (Alex Lieu/Chief Creative Officer for 42 Entertainment)
  ・ARGを活用した新たなコンテンツビジネス
     (三原飛雄馬/株式会社メディアファクトリープロデューサー)
  ・日本市場におけるARGビジネスの可能性に関するトークセッション
     (前述3名、大橋聡史/株式会社アサツー ディ・ケイ プランナー、
      加藤隆生/株式会社SCRAP 代表、くるりARGプロデューサー )

以上の4部構成になっていました。


会場はこのような雰囲気で行われていました。


僕たちはその中で、Alex Lieu氏が語られていたARG設計に関して注目した点があったので、書かせていただきたいと思います。



Alex氏は、

“Anytime you interact, you are in that world”
“The Law of Attraction: Good story makes audience powerful and strong”
“The conversation makes positive awareness. It would build brand,
 and brand advocate for life: Then they are LIFETIME FANS”

といったことを仰られており、そこで僕たちが「The Dark Knight ARG」のような、プレイヤーに最高の体験を提供したARGを設計していく上で留意したい点が4点ありました。



①物語性
②洗練されたスタッフ集団
③異なるプレイヤーの認知
④"エンターテイメント”であることの理解


以上の4点です。



<①物語性とは?>


写真は、「The Dark Knight ARG」内でのHarvey Dent氏の選挙運動の物語が、人々に対話を生み、実際に選挙活動に集うという行動を起こした様子です。

「人を繋ぐのは、物語」とAlex氏が仰られているように、「The Dark Knight ARG」にはおよそ1500〜2000ページにも及ぶシナリオが用意されていました。
このシナリオが、物語の背景ストーリー(世界観)を指すものなのか、プレイヤーの行動やその行動に対する対応も含めたものを指すのかについて、Alex氏は仰られていませんでしたが、目を奪われがちになりやすい派手で大規模なライブイベントや謎解きが、プレイヤーを動かしている本質的な要素ではないということは分かります。

今、僕たちのチームは制作段階に入り、班員でシナリオを作成していますが、プレイヤーに対話を生めるような「強固な物語性」と共に、「プレイヤーの参加体験の設計」も同等に重要な要素だと、僕個人は非常に体感しています。



<②洗練されたスタッフ集団とは?>

「The Dark Knight ARG」を制作した42entertainmentにはコンテンツクリエイター、Webデザイナー、シナリオライター等、各分野のトップクラスの人材が在籍しており、機密保持のために少人数の精鋭チームが24時間プレイヤーの動向を監視したり、現地訪問をしたりしています。

まだ、僕個人としてARGが実施している際に運営側に回ったことがないため、その大変さや対応の仕方として注力すべき事項を今ここで書くことができませんが、実際にトライアルを実施した後に、そこでの気付きを書きたいと思います。



<③異なるプレイヤーの認知とは?>


この図は、プレイヤーのARGに対する参加積極度数と、そのボリュームを示したものです。
42entertainmentのwebsiteから借用したものに、ARGに全く関心の無い層としてLevel0という層を付け加えたものです。

自然発生的にはLevel0とLevel3(積極的に書き込みをしたりまとめwikiを作成したりするほど、ARGに熱中している層)に集中するため、Level0をLevel1、2と引き上げる必要があると、Alex氏は仰られていました。

そのため、上位の層の人がLevel0の人を巻き込む仕掛けが必要だと仰られていました。


現在のところ、今回のトライアルではこの3点目に関して調査することができませんが、長期間のARGで「プレイヤーの参加体験の設計」を考える上では、外せない要素であると認識しています。
また、実施するARGに関してのバズを起こす上で、広報戦略の面でも重要な要素だと思います。



<④"エンターテイメント”であることの理解とは?>

Alex氏は「ARGは数値による定量的な効果測定がしにくく、正確な数値を求めることは難しい」と仰られており、「クライアント企業の目標を理解し、それを実現する事がARGの『成功』である」と定義されていました。

昨今、プロモーションに対してARGを用いることが多くなっており、そのためARGはプロモーション手法として捉われがちになってきています。
しかし、僕たちは思いきって、ARG=プロモーションという思考を捨てることで、プレイヤーに最高の体験を提供できるARGを設計しやすくなると考えています。

ARGをエンターテイメントとして再度とらえ直し、いかにしてプレイヤーとクライアントの関係をより良いものにしていくかを念頭においた制作が、これからは必要だと信じています。


また、このようにARGをプレイヤーとクライアントの関係をより良いものにする手法として捉えたとき、アートやデザインと同様なものに変化していくと思います。
ポスターについているロゴや、ポスター自体のデザインも広告の一部となってしまっていますが、見た目を心地良い物にするということは、その商品やサービス、さらには提供している企業をいかに好きになってもらうかという工夫から発展していったのではないかと、個人的には感じています。






以上で【ARG SYMPOSIUM 2009】から感じた、最高のARGを制作する上で留意しておきたいと僕たちが注目した点です。

この視点を忘れること無く、楽しんで制作に勤しんでいきますので、
これからもぜひぜひ覗いていってください!

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