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ARGシナリオの制作過程における気付き

こんにちは!
あっきーです。

今回の投稿では、
観光ARGの全体シナリオを制作する過程において
自分が個人的に考えていることを共有します。

ここでいう、全体シナリオとは
物語背景とプレイヤーの行動設計を合わせたARGの脚本的なものです。

以下、あくまで「個人的な考え」であり、
トライアルを実施する前に投稿した記事であることを了承した上でご覧ください。


◇全体シナリオは、少なくとも三つの視点を持って、作り上げる必要がある。
それは「俯瞰視点」「主要登場人物視点」「プレイヤー視点」である。
物語を作成する際、始めに俯瞰的な視点で物語全体の起承転結を整理し、
その中で登場人物がどんな性格のもと、何を考え、どのような行動をとるかについて仮設定する。
次にプレイヤーに求められる役割を定めて、なぜ、何を、どのように行動するか、
また、その行動を取ることの「楽しさ」はどこにあるか、について考える。
 (その際、プレイヤーの行動を都合良く制御しようとはせず、
 プレイヤーがその行動を取るために必要な空間を提供することを心がける)
恐らく大抵の場合、プレイヤー視点でシナリオを見つめ直すと、
俯瞰視点で整理した起承転結に違和感や矛盾が生じてくるので、
もう一度大枠の起承転結を見直し、また登場人物の視点に立ち返って物語全体を作り直していく。
この三つの視点を横断しながら物語の構築を行うことで
プレイヤーにとって違和感・矛盾点の少ない物語を制作することができる。
特に大切なのがプレイヤー視点のシナリオ作成で、
この視点において、違和感を感じるようなシナリオでは、真に没入感を生むARGは作れない。
 (今まさにそれが極めて難しいことであると身を持って実感している)


◇「キャラクター」と「プレイヤー」との関係の設定が難しい。
(新しい架空の物語×現実の舞台(下北沢等)、で短期間のARGを提供する場合)
ARG上のシナリオを進めていくためには、その物語に登場するキャラクターとプレイヤーが
何かしらの接触機会を持ち、ある種の協力関係や敵対関係を築いていく必要がある。
それは、現実の世界を舞台にしているために、「架空の物語の世界観」がプレイヤーに伝わりづらく、
その世界観を伝達する媒体として、「キャラクター」の他にその役割を担える存在がないことに起因する。
しかし、新たな物語のキャラクターとプレイヤーは言わば「見知らぬ他人」であるべきで、
短時間で深い関係を構築することは難しく、更にそれを自然な成り行きで実現するのは至難である。
これはプレイヤー視点でのシナリオに対する違和感を生む要素になり得るため大きな課題である。

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