今回は、自分のブログで昔まとめた記事をこちらへ転載させて頂きます。
最初のARG、The beastについて、です。
ARGは具体例から見るのが最も分かりやすいと思うので、
是非何かの参考にして頂ければと思います!
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元祖ARG、"the Beast"
ARG(Alternate Reality Gaming 「代替現実ゲーム」)
のはじまりはいつかと言いますと、
実はこれは2001年にまで遡ります。
日本では本当にここ2年間くらいでやっと知名度が上がってきた(かな?)
くらいなのですが、
実は欧米ではすでに、
私が知っているだけで200弱のタイトルが行なわれてきました。
最初に行なわれたのはこちら、
"the Beast"
というタイトルのARGで、
2001年に公開されたスティーブン・スピルバーグ監督の映画、
「A.I」のプロモーションとして行なわれました。
※本当は映画のプロモーションではなく、
Xbox用のゲームが発売予定だったので、
そちらの広告プロモーションとして企画されたのですが、
結局はA.Iの不振からゲーム発売が企画倒れしたという経緯があります。
では、A.IのARG, the Beastは、
どのようなものだったのでしょうか?
以下から少しご紹介したいと思います。
the Beastの世界への入り口
映画のポスターのクレジット(公開前から)
映画の中のエンドロール(映画公開後)
等に、
「ジャニン・サラ(jeaninne salla)」という名前が記載されていました。
(以下画像参照。こちらはポスターの画像)
ただの名前なら誰も気にも止めないのでしょうが、
肩書きが「心を持つロボットのセラピスト」と、何やら怪しい。
実はこれが、
ARG、the Beastへの入り口、
※「ラビットホール」でした。
プレイヤーがその名前を、おそるおそるgoogle(まぁエンジンはなんでも良いんですが)
で検索すると……
※ARG用語に「ラビットホール」というものがあります。
アリスがウサギを追いかけて不思議の世界へ入り込んでしまう穴を、
ARGストーリーへ入り込む入り口と見立てて
「ラビットホール」(ウサギの穴)と呼んでいるんですね。
広告業界でいうところの、
タッチポイント、コンタクトポイント、
と似た様なものだと思って下さい。
the Beastの世界
検索するとどうなるかというと、サラが働いている大学のホームページに飛びます。
名前はバンガロア大学。
彼女が大学教授である事が分かり、
さらに彼女のページを見て行くと、
彼女の書いた論文の一覧ページがあります。
画像が少々粗くて申し訳ありませんが、
お気づき頂けましたでしょうか?
そう、年号がおかしいんです。
(画像上で、赤い丸でかこってあるところです)
今から100年以上も未来に書かれた論文がある。
大体、そもそもロボットセラピスト、なんていう肩書きが現実離れしています。
何かがおかしい。
そうして、ジャニン・サラという謎の女性のページから、
関係するいくつかのサイトに飛んで行くと、
エヴァン・チャン(Evan Chan)という人物の謎の殺人事件に行き着きます。
その流れをより詳しく説明すると、以下の様になります。
Sallaの個人ページを読むと、プレイヤーはSallaの孫のLaiaの個人ページへのリンクや、Jeanineの電話番号を発見できます。
こうした手がかりに誘導されて、
プレイヤーはEvanとNancyのホームページを見つけることになります。
彼らはSallaとは家族そろってのつきあいで、
Jeanineの留守電のメッセージから、
どうやら最近Evanが彼がA.I.を育てていた、
「Cloudmaker」と呼ばれるボートに乗っている際に、
不慮の事故で亡くなってしまったということが分かります。
この時点で、プレイヤーはEvanの死の調査に参加することになります。
プレイヤーは、だれがA.I.生育所を壊したのか、などのさらなるなぞに直面することになり、
この一連の殺人事件の謎がthe Beastの世界、ストーリーでした。
2001年、
まだこのゲームに、これまでのMMORPGやコンソールゲームには無い、
新しいゲーム体験が潜んでいる事など、まだ誰も知る由も無い時代の事です。
(2)へ続く
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